コリがいかに悪者であるかは、前章でよく理解できたと思います。
そこで次に「コリを揉んでほぐす」という行為が
具体的にこってしまった筋肉にどんな変化を起こすのかを解説していきます。
施術者がほぐしている訳じゃないんです。あなたが自分でゆるんでるんです。
揉んで筋肉をほぐす。という行為は、
一見力ずくでほぐしているようにも見えますが 実は全然違うんです。
手力整体での「揉み」はコリに刺激を入れて「緊張と弛緩の筋反射」を引き起こしてゆるめているんです。
ものすごくびっくりしたり、怖い想いをした後で、それが過ぎてホッとする時に
腰が抜ける。とか膝から崩れ落ちる。なんて表現、よく聞きますよね(実際に体験したことがある人もいると思います。)
あれが「緊張と弛緩の筋反射」です。
筋肉って、緊張した後に力を抜くとそれまで以上にゆるむ(弛緩する)という反射作用を持っているんです。
どうやって筋反射を引き起こしているのか
縮んで固まっている「コリ」に圧を入れると痛みが生じます。(コリは痛いものですから)
その痛みに反応して一瞬筋肉が緊張し、その後指を抜くと弛緩して筋肉がゆるんでいくんです。
このように書くと、やはり力技でほぐしているように感じる人もいるかもしれませんが
大事なのはまずその筋肉が指が入る状態かどうか(ハリからほぐそうとすると大抵指が入りません)
そして指が入った際にちょうどいい痛みを感じているかどうか(痛みを感じないと反射が起きないので、、、)
というところで、この順番が合っていれば指を筋肉に差し込んでいくだけ。
あとは筋肉が勝手に反射でゆるんでいく。という流れに持っていけるんです。
揉み返しの起こるメカニズム
ここで、多くの人が勘違いしている事実をお話しします。
こり固まった筋肉をほぐすというと、とんかつ用のロース肉を金槌などで叩くあれをイメージする人が多いのでは?と思います。
とても残念なことに、リラクセーションやマッサージを生業にしている人ですら、
そこを勘違いして「固いコリだからもっともっと強くほぐさなくては、、!」ってやりすぎちゃうことがありますからね。
しかもそういう方々が間違って一生懸命ほぐそうとしているのは大抵伸びて固まった「ハリ」の方で、
肝心の「コリ」はまったくほぐしていなかったりします。
このように順番も手法も間違えて「ハリ」ばかり力任せに揉んだら、何が起こるかわかりますか?
「揉み返し」です。
そもそも、揉み返しってなにかご存知ですか?
揉み返しの痛みは、筋繊維が破壊されて(損傷して)しまったから起こっているんです。
つまり怪我してる。ってことですね。
なんでそんなことが起こるのか。それはほぐす順番を間違えているから。
「ハリ」はそもそも、「コリ」が縮んで固まったせいで引っ張ら固まった筋なので
たとえ圧を入れて反射が起きても、そこがゆるんで伸びるようになったところで姿勢は整うどころか崩れる一方です。
だから絶対「コリ」からほぐさなきゃならないんです。
ほぐす順番が違うから揉んでもかなかなゆるまない。だから力任せに揉みすぎて壊してしまうわけです。
正しいほぐし方とは
揉み返しを起こさない正しい手順は
まず縮んで伸びにくくなっているコリの方をほぐして、伸びられるようにする。
うまくすればその状態ですでに引っ張られてハリになっていた筋肉がゆるんでしまう場合もあるけど
まだ残っていたら次にハリを揉む。その時にはハリもゆるんで指が入るようになっているので
筋繊維を壊してしまって痛みが残る。なんてことは起きないんですね。