授乳中は肩こりがひどくなるものです。
その理由は子育て中の人たちなら迷わず理解できるはず。 そうです。「だっこ」です。

赤ちゃんの抱っこが一番しんどい時期、、、

しかも産後3~6ヶ月のこの時期が一番しんどいんです。  理由は

〇赤ちゃんが重くなってきたから
そして
〇まだ赤ちゃん背中がしっかりしていないから

腱鞘炎のページで解説した通り 
ふにゃふにゃしてるものを抱っこするには腕の力が要るんです。
長時間持っているなら、米袋より段ボールなどのしっかりしたものの方が楽なの、
なんとなく理解できますよね

抱っこしていた赤ちゃんが寝ちゃうとズンと重く感じるのも同じ理由です。
だから赤ちゃんがハイハイをする時期になると、
赤ちゃんの重さは増すけど、格段に抱っこが楽になるんです。

肩こりのメカニズム

肩こりの起こり方は デスクワークの肩こりも、美容師さんの肩こりも、
裁縫などの手作業による肩こりもみんな同じなんです。その特徴は
「胸が閉じている。首が前に出ている。背中が丸まっている」 いわゆる「猫背」ってやつですね。
もちろん上記肩こり事例のなかでも「抱っこの肩こり」は肩にかかる負担が大きい分こり方もひどくなります。

コリのできる仕組み で解説したとおり、筋肉が固まった状態には二種類あって
〇縮んで固まったコリ
〇コリに引っ張られて伸ばされて固まったハリ
ですがこの「ハリ」にはあくまでもその前段階として「コリ」が発生しているものなので
「ハリ」がきになって仕方ないとしても、先に「コリ」をゆるめないでおくと、またすぐ「ハリ」ができてしまうんです。

では、この肩こりの「肩」は「ハリ」なのか「コリ」なのか、、、
下記の写真を見比べてみてください。

通常、「肩こり」を自覚している人が症状を訴えるのは
「僧帽筋」という筋肉の上部のエリアです。

僧帽筋は後頭部から出て肩甲骨にくっついているんですが
これが「猫背の姿勢」で伸びているのか縮んでいるのか、、、

分かりやすく、イラストで表現してみました。

そもそも、腕そのものが一本二キロくらいの重さがあるので
それが肩甲骨から始まっていて、肩甲骨は僧帽筋などで後頭部にぶら下がっているかたちになっているんです。
抱っこをしていなくても、普通に腕を降ろしているだけでも僧帽筋は重力で引っ張られているんです。
ということは、「ハリ」なわけですよ。

だから、肩こりだからって肩だけ揉んでもダメなんです。

肩こりの人がほぐすべき場所は、、

では、肩こりを解消するためにどこをほぐせばいいのか、、

前述の通り、肩こりのひとは「首が前に出ている」そして「胸が閉じている」という特徴があります。
この「首が前にでる」は 赤ちゃんが居る人の場合は「赤ちゃんをのぞき込む」姿勢からくる場合もあります
実際、うつむいてばかりいると首の前の筋肉が縮んでしまう。ということはありますので
そんなときにはこのストレッチです

ですが、残念ながら そもそもこのストレッチをしようにも 首が痛くてできません。という人が多いのが事実、、、
ではどうすればいいのか。
まずは胸を開けるようにすること。なのです。

ここでひとつカラダの連動を感じられる実験をしてみましょう。

胸を閉じてください。
そのまま首をうつむかせることは問題なくできますよね
だけど胸を閉じたまま上を向いてみましょう。可動域が制限されるのがわかりますか?

次に胸を開きます。
胸を開いている状態だと、上を向くのは楽だけど、うつむくのに可動制限がかかります。

つまり、まずは胸を開けるようにすること。 それが第一なんです。
だからといって、「胸を開いていよう」と思っても 気づいたら閉じちゃってますよね?
なんなら、ずっと意識して胸を開いていても、だんだん疲れてきて
結局辛くなって胸を閉じてしまう、、。そんな感じになりますよね

これは「胸を閉じる筋肉が”縮んで固まっている”から。」なんです。

胸を閉じる筋肉とは小胸筋
ただし、小胸筋が縮んで固まる前に、上腕二頭筋が縮んで固まっていて
これが肩甲骨を前に引き下ろしてしまうんです。
そして、その状態が続くので次第に小胸筋も縮んで固まってしまうんです。

上腕二頭筋といえば「ちからこぶ」の筋肉です。    
「えっ ちからこぶなんてこってないよ??」と思った人
試しに自分のちからこぶを強めに揉んでみてください。ほとんどの人が痛みを感じるはず、、

ではなぜ上腕二頭筋がこってしまうのか。
抱っこをしているから」です。(上腕二頭筋は肘を曲げる筋肉なので)

なので、肩こりを解消したければまずは腕を揉んで、その後胸をほぐします。
肩甲骨の動きが軽やかになる頃には肩は揉むまでもなく柔らかくなっていることを保証します。

セルフケア